名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・モーリーさん /黒人差別 /映画「それでも夜は明ける」 /U先生 /アムネスティ 


 先日。久しぶりにモーリーさん(モーリー・ロバートソン)のツイッターをみた。
黒人差別についての記事があり、はっとした。
そうだ。 世界では、こんなことが起こっているのだった……。


 このまえテレビで観た映画「それでも夜は明ける」を思い出す。
 あらすじ: アフリカで平和に暮らしていた自由黒人のひとが誘拐され、アメリカの奴隷市場で売られた先の農場で、差別と暴力と虐待をうけた日々と、そこから脱出するまでの記録。
黒人である、というだけで、罵られ、むちを打たれ、家畜よりもひどい扱いをうけてしまう。そして死んだら、ごみのように片付けられる。
ただ ひたすら、つらく悲しい描写がつづき、観ていて胸が痛くなった。
そして、世の中に、こんなにひどいことがあるのか。あったのか……と驚いた。

 

 世界といえば。
高校の、図書室の司書のU先生。
 高校一年の夏休み、U先生に暑中見舞いを送ったところ、お返事の葉書が届いた。
暑いけれど体調に気をつけて、とわたしを気遣うことが書いてあり、そのあとに
「いま、世界では、どんなことが起こっているのかを知ってくださいね。」とあった。

 世界。 せかい?
何をしたらいいのかわからないけれど、とりあえず。そうだ、新聞を読んでみよう、と思いついて。
父に「おとうさん、新聞を読みたいの('o')」とお願いして、毎日、新聞を読むようになった(日本の政治や経済面は難しくて、あまり見なかった^^; )。


そのうちに、アムネスティという人権活動を知った。
アムネスティは、不当に逮捕、投獄されている人たちのことを世に知らしめ、その人たちを救おうとしている。 自由と正義と平和を願う、国際的な人権団体。
高校2年のときだったか、図書委員だったわたしは、秋の文化祭のとき、図書室で、アムネスティについての展示と発表をした。
校外から訪れるお客さんたちにチラシを配り、ぜひご覧になってくださいと声をかけたりして。
人見知りで口下手で男性恐怖症でもあったわたしが、なぜあんなことをできたのか、いまもわからない。 わからないけれど、あのときのわたしは、ああしてしまった。

 アムネスティは、たしか、黒人差別(および、有色人種などの人種差別)についても活動していた。
差別とはどういうものなのか。どのようにして差別が生まれるのか。
さいきん思うのは。 差別は、もしかしたら、人間の心の弱さから発生するのかもしれない。 自分が弱いから、自分よりも弱い存在を作り出して、それよりも自分は優れている、と思いたいのかもしれない。
そして、あらためて思う。 黒いとなにがいけないの?

 

 U先生。 シンプルなワンピースに、黒いサテン生地のバレエシューズで。 冬には黒のタートルネックのときもあった。どんな装いでも素敵にみえた。
笑うときは恥ずかしそうに、14歳の少女のように小首をかしげて微笑む。
可憐な人だけど。図書室で飲食する、マナーを守らない生徒には、毅然として、「ここで食べてはいけません。出ていきなさい。」と注意できる人。あのときはびっくりした。飲食していたのは私たちではなく、他の生徒。
おだやかなたたずまいで、品があって、知性的で、凛としていて、やさしくて、どこまでも純粋で。
そんなU先生に、まじめな生徒も、ふつうの子も、不良っぽい女子たちまで(「あの先生、可愛くね?(^^*)」「うん、めっちゃ可愛い☆(^▽^*)」とか言って)、みんな憧れていた。
もちろん わたしもU先生に憧れていた。 先生とちょっと話すだけでも、ドキドキした。ほんのひとことでも話せた日は、うれしすぎて、その夜なかなか眠れなかったりして。


 あの夏から何年たったのか。 U先生、お元気だろうか。
あのやさしい声と、まっすぐな信念と、澄みきった瞳は、いまもあるかしら。 あるといいな。

 

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