名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・トゲには /林真理子のエッセイ「口紅の塗り直しは」/エリザベス女王。ほんとうのマナー /たばこと喫茶店 

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 このまえ。日記を確認したあと。足のうらにチクリと痛みが走る。トゲがささったらしい。 ゆびでなぞってみるけれど、とれない。 友人に「カッターナイフちょうだい。」「何するん?」「とげ。」 チキチキと刃をだす。「深く切ったらあかんで?」「だいじょうぶ。」 トゲにはこれがいちばん。
 ナイフの刃先を寝かせるようにして、表面をけずっていく。足のうらの皮膚も薄いため、トゲが透けてみえる。 すこしずつ、かつ大胆に。 トゲがはっきりとみえる。ようし、もうちょっと。 トゲに沿って並行に刃をいれて思い切ってけずっていく。あ。ポロリととれた。「とれた。」「おぉ。」 「ちゃんと消毒しとくねんで?」「うん。」 ここはひとつ友人の顔をたてて、台所用アルコールスプレーを吹きかける。「薬ぬってな。あるか?」「オロナインにするわ。これ何でも効くから。」と応えながらオロナインを塗りすぎてティッシュでふき取る。それから、「あしたになったらはがれてるだろうけど」と照れ笑いしながら、バンソーコーをテキトーに貼りつけておく。

 

 

 18日。病院。 先生「調子はどうですか。」「はい。いつもどおりです。」 おもいきって先生に訊いてみる。「先生。ジンギスカンの踊りってどんなふうに……?」「あぁ。んーー。とくにないよ。」 「テキトーに? こんな感じですか。」「そうそう、みんなテキトーに踊るの。」 「面白そうですね(^^*) じゃあこんど踊ってみようかな……」「うんうん、いいと思いますよ。あれは楽しいもん。」

 


 林真理子のエッセイから、思い出し書き。 あるとき、連載小説か何かの締め切り前、林真理子がホテルで「カンヅメ(缶詰=作家などが締め切り前に集中して書くために(他の誘惑がない)ホテルにこもること)」をしたのだけど。洗顔したあと、化粧水などのお化粧品を持参してこなかったことに気付いて、彼女はあせった。そのホテルの部屋にはアメニティグッズ(利用客が使ってもいい化粧品類)がなく、洗った顔のお肌が(冬のホテルの暖房もあって)刻一刻とパリパリと音をたてそうな勢いで乾燥していく。 林真理子は、「あっ」とテーブル上のコーヒーに添えられたポーション・ミルクを発見。なにも考えず、とにかくそのミルクをお肌にわーっと塗りつけた。すると、みるみるうちにお肌がつやつやしっとりぷるりんと潤ってきて。コーヒー用のミルクが乳液の役割をみごとに果たした。林真理子は思った。「なぁんだ。ミルクでいいんだ。ふだん私が使ってる何万円もする化粧品、あれは何だったの??」

 林真理子エリザベス女王も出席する晩餐会に招かれたときのこと。その会食の席で。 お料理を食べたら口紅が落ちちゃったけど、人前で口紅を出して塗り直すのもマズイだろうし。みんなはどうしてるのかしら……と見まわしてみたら。 林真理子の隣り?にいたエリザベス女王が、誰かとの会話が一段落したときに、テーブルクロスの下からコンパクト(鏡)をだして左手にもち、エリザベス女王はちょっとだけうつむいて、サッと口紅を塗り、それをまたササっとしまうと、エリザベス女王は何事もなかったかのように笑顔になってふたたび誰かとの会話にもどった。ほんの一瞬のできごとだった。 林真理子は「あ~、あぁすればいいのか(@_@) さすが女王様、すごいわ。」と感動したという。

 エリザベス女王のもうひとつの伝説。 アフリカの国の王族を招いての晩餐会。アフリカの王族のお后様が、運ばれてきたフィンガー・ボウルを(それは指先を洗うもの)、両手でもってごくごくと飲んでしまった。周りの人は『ちがうっ。』という空気に。するとエリザベス女王は、自分の前にあるフィンガー・ボウルを持ち上げて、アフリカのお后様と同じようにごくごくと飲んでみせた。 そのとき同席していた人たちは、その出来事をふりかえって口々にこう言った。「あれこそ、マナーの真髄だ。」


 たばこをどうするか。 一緒に食事やお酒のとき、相手が非喫煙者なら、わたしも吸わないかな。妹は「どうぞ。吸いたいでしょう(^^*)」と言ってくれるので、「〇〇ちゃん優しいねぇ、ありがとう。」と吸う。 小さな喫茶店では、天井の換気扇の位置をたしかめて、その近くの席に座ったり。いま吸ってる煙がちゃんと換気扇に吸い込まれていくかなと、煙の行方を目で追ったり。

 喫茶店にひとりのときは、たばこ一本だけだと、わたしが退店したあと灰皿を片付ける人が「これだけかよ。」と微妙な気持ちになるだろうから、もう一本すう。三本まではいかない。 喫茶店のすみっこの席で、ふぅとひと息ついて、それから、文庫本をひらいて読むふりをしたり、卓上の「おすすめケーキ」のお品書きをみたり、さっきのライブのセットリスト(演奏する予定、あるいは演奏した曲目)を脳内で再生しながら何度も読み返したり。コーヒーを半分だけ飲み、たばこを2本くゆらしたら、さっと出てくる。ひとりの喫茶店では長居しない。

 あぁそうだ。「男はつらいよ」の寅さんが喫茶店のことを「きっちゃてん」というのがいい。 寅さんが片想いするマドンナのいる喫茶店にいきたくてソワソワと「とらや」から出掛けるときの、おいちゃんとのやりとり。「寅、どこ行くんだい?」「ちょいとな。きっちゃてんよ。」 「お前が喫茶店??」「なにね。たまには、コーシーでも飲んでみようと思ってサ。」

 

 


The Doors ザ・ドアーズ -  Hello, I Love You
https://www.youtube.com/watch?v=8f1z-nHvt3c

大橋トリオ アネモネが鳴いた
https://www.youtube.com/watch?v=cT4oPuaWwK8

 

 

・ 9.22、植物男子ベランダー /母について /黒人の何がいけないの? /母の強引なカスタム /トゲには /林真理子のエッセイ「口紅の塗り直しは」/たばこと喫茶店 

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 「植物男子ベランダー SEASON2(1)<全12回> 帰ってきた俺 」
 NHK総合、9.22(土曜)、夜11時:30~。 たいへんだ。あぁ、うれしい、また見られるなんて(>_<)。 ほんとにほんとにほんと? うわぁどうしよう。
 原作:いとうせいこう「ボタニカル・ライフ」 主演:田口トモロヲ 共演:松尾スズキ
 番組説明:【 ファンの熱狂を呼んだベランダーが帰ってくる! かつてBSで大人気を博した番組のシーズン2が地上波初登場。 前代未聞の植物ラップ「MC植物」もお楽しみに。】
 番組オープニングの曲もいい。シーズン2にも使わられるかしら。 「多肉 愛の劇場」はあるのかな。

 

 

 シャワーを浴びながら、母について考えていた。母の特性を指おりあげてみる。
 強気な反面、臆病で、人のちょっとした態度や言葉で「怒らせちゃったんじゃないかしら」「わたし、嫌われてるのかも……」とクヨクヨ悩み、家族に相談してくる。関西弁でいう「気にしィ」 /清潔好き。台ふきんもぞうきんもガンガン漂白かけて、真っ白 /神経質 /
 料理の味付けがキマらない 味見を繰り返した結果、いつもしょっぱい /コーヒーにスプーン印の白砂糖大さじ3杯。アイスコーヒー用に手製の飴状になるほど超絶甘いガムシロをつくる /髪もメイクも派手。アイラインくっきり、つけまつげバサバサ /原色をこのむ /目立ちたい、みんなから振り向かれたい /「きょうも、女子高生やおしゃれな女性からにらまれた」と報告してくる
 好悪がくっきり。ふつうがない /他人には徹底的に警戒、味方と思える人間にはあけっぴろげで、思いっきり甘えてきたり、おせっかい /

 

 母は、差別が大好き 有色人種や開発途上国の人たちや、身体障害者を容赦なく笑う。差別用語の連発。  わたしはひそかに思った。黒人の何がいけないの。肌の色がちがうからって悪いの? /自分も地方出身者なのに、「田舎かっぺ」と馬鹿にする /太った人、頭髪のうすい人、容姿のすぐれない人を見下す /考えすぎる反面、考えが足りない /思ったことをそのまま言ってしまう。言われたほうは「ガーーン。」となる。一例:(わたしは妹からの報告で知った。妹「きのうお母さんが、お風呂上りにアトピーの薬を塗ってる私にこんなことを言ってた、」と。) →母「あぁあんたのアトピーひどいね、あー気持ちワルイっ! ……そんなの見たら、なんか食欲なくなっちゃったぁ。メシがマズくなる。やめてちょうだい。」 妹がたまりかねて「じゃあ、(このアトピーを)代わってくれる?」と提案すると、母は「え。 、ヤダあっ!!」と拒否した。 や、ふつうは親なら「わたしが代わってあげたい」と思うものでしょう。
 母は美しさにおいて、自分が一番だと思い込んでいる。たしかに母は美人。昔、わたしにたびたび「ブスだねぇ。黒人、黒んぼ!インド人!」と罵ってきたのは。 たとえ娘であっても、ワタクシよりちょっとでも可愛い者は許せない、引きずり下ろさないと気が済まなかったのらしい。ヒトラーみたいな独裁者? あるいは、実際にわたしがブスだった可能性も大。
 つねにしゃべっている /相手が聞いていようといまいと、たぶん構わない /語彙の少なさを、声の大きさでカバーしようとする /声が大きい。こちらの耳にビンビンと響く /身ぶり手ぶりがすごい /何事も大げさに表現する /同じ話を何百回と /ナイショ話ができない /かくしごとができない /嘘がヘタ /男運がない。男をみる目がない /情が深くて、かつ無責任
 外食が好き /いつぞや。フードコートで母がソフトクリームを食べようとしたとき父が母に「あのさ、」と話かけ、母が「え?」とそちらを向いたらソフトクリームがおニューのスカートにボッタリ落ちてしまい。母はつぎの瞬間、「あ゛ーーっ! あんたが声かけるからこんなんなっちゃったじゃない!どーしてくれんのよ!」と、フードコートじゅうの人たちがいっせいに振り向くほどの大声で父を怒鳴りつけた。(火薬庫の爆発のようなすごさだったと、わたしは想像する。小さな子供だって人前で怒られたら恥ずかしいだろうに、大人の男ならなおさらプライドがある。父はさぞ恥ずかしかっただろう……合掌。) /母はよく、カッとなる /「3年前のソフトクリームのあれ以来ね、おとうさん出かけるときは一人で行っちゃうのよ。いつのまにかいないのよ。アタシと一緒に歩くの嫌になっちゃったのかなぁ??」とわたしに打ち明けてきた。 教訓:人前で男を叱ったり、なじったりしてはいけない。人前ですねたりワガママを言ったり困らせてはいけない。
 信仰するものがない /お墓参りをしない。法事もスルー /お線香がキライ /オバケや幽霊や怪奇現象を極度にこわがる /喜怒哀楽がはげしく、気性が荒い、かと思うとたまに弱気 /すべてが過剰。

 

 靴やバッグにこだわり、自分の使いやすいようにカスタムをする。ちなみに母は不器用で、仕上がりがいまひとつ。 バッグの口ににホックをつけたり、買ってきたばかりの靴の中敷きをバリッとはがして、手持ちの靴からとった中敷きを貼り付けて「ちがう!」「これもちがう!」 また別の中敷きを試して、「うん。これでよし!」と勝ち誇ったように言う。
 母の強引なカスタムは家族のものへも及ぶことがある。 十年前、わたしのお出かけ用のジーンズがあった。24インチの深穿きのブーツカットのそれをウェストがゆるいためベルトを使って穿いていた。ある日、わたしが仕事から帰宅したら、母が、「あんたのジーパン、ゴムつけといたよ☆ たいへんだったわよう!(^▽^*) ほら、はいてみてっ!」 なに勝手にしてんの?!!そんなこと頼んでないのに。手縫いでたいへんだったろうなぁ、しかも全ゴム……と思いつつ、穿いてみるとぴったり。でもまって、ウェストの内側(白い幅広のゴムひもを包んである布)、この柄、どこかで見たことある。なんだっけ、えーと何だっけ……。あっ。おとうさんの着ていた甚兵衛の生地だこれ。えーーっ。やだぁ、やめてよう!(>_<) 母ったらなんてことするの?!と、くらりとめまいがした。 いっぺんだけそれで出かけたことがあるけれど、父と母がぴったり付いてきてるような感覚でユウウツになった。 それっきり、そのジーンズは二度と穿かなくなってしまった。 母の愛はいつも空回り。 わたしもかな。反省。

 母の口ぐせ: 「立ってるものは親でも使え」「大は小をかねる」「バカは一生治らない」「寝言は寝て言え!」「親に向かって、〇〇!」 「おとうさん、アタシお腹すいたぁ」 何十年も前から父が買物と炊事をしているのだけど、父のつくった夕飯を、母は「甘い! しょっぱい! またこれェ?」と厳しくダメ出し。あげくに「飽きた。」 父は献立に悩むようになり、仕事中も「今晩なににしようかなぁ……」と考えてしまうんだよ。とわたしにうちあけてくれた。
「食べたいときがウマイとき」といって夜中にラーメンライスをこっそり食べる。こっそり食べたけれど、翌朝になると父が「おかあさん、ラーメン食べたね?」、母「えっ、どうしてわかったの?!」、「流しのすみにちょこんと茶碗とどんぶりが置いてあったから。」と父が可笑しそうに笑う。 母はいつも丸見え。
 母は、欠点も少しはあるものの。そこが可愛いと思う人もいる(父とか)。憎めないタイプ。 ひどいことも言うけれど。無邪気なだけ。ちょっとの意地悪さはあるけれど。おおむね、悪気はない。
 言いたい放題。やりたい放題。 反省はするものの、また同じことを繰り返す。学習しない。

 3人きょうだいの末っ子で、甘えん坊で(岩手の家は貧しくて、日々のおかずにも困っていたのに、地べたにひっくり返って泣きわめいて祖母や祖父におもちゃをねだったり。 祖母が近所の人と表で話しているところへ、おかわりのお茶碗をもっていって「母さん、おかわり!」と要求したり)、寂しがり屋 /
 母は。基本的に女王様で、会社の若い男の子を「〇〇三中!」とからかったり。家庭内では自分の身づくろい以外は指一本うごかさず妹や父をアゴでこき使ったり。 休日の朝はいつまでも寝ていて、父が台所で「ジャーッ」と何かを炒めるとその匂いで「なに!何つくってるの?」と起きてくる。 またあるときは。わたし「お母さん、起きてこないね?」、すると父が「起こす方法があるんだよ。みていてごらん(^^*)」と言う。 父が母用のアイスコーヒーをつくって、母の寝ている枕元までもっていって「カラン、カラン☆」とマドラーでかきまわして音をたてると、「あぁっ、コーヒー?」と母が目覚めてむっくりと起き上がり、父がわたしに「ほらね♪起きたでしょう」と笑うのだった。

 

 

 

The Doors ザ・ドアーズ -  Hello, I Love You
https://www.youtube.com/watch?v=8f1z-nHvt3c

大橋トリオ アネモネが鳴いた
https://www.youtube.com/watch?v=cT4oPuaWwK8

 

 

・この世は /永久追放 /あるてぃめっとれいざー、夕方のピアノ、口ずさめるように


・この世は (2015.)

 


神も仏もない


ただ 人間がある

 

 

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・永久追放 (2018.9.10)


わたしの平和よ還れ /わたしの愛よ帰れ /平穏な日々をここに /わたしのことばよお帰りなさい /わたしの同情を返せ /卑怯で弱い虫けら /お日様をとりもどすの /謝罪も憐れみもいらない /安らかな眠りよ ここに還れ /遠くに ひざまづきなさい /ひとつもゆるしてはならない /おまえが百ぺん死んでもゆるさない /ただ わたしの夜を返せ /もう二度と /ただちに そこから消えなさい /永久追放いたしますですの

 

 


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Shinsei Kamattechan - Ultimate Laser!
https://www.youtube.com/watch?v=t4FRvdSV49g

夕方のピアノ PV 神聖かまってちゃん
https://www.youtube.com/watch?v=ZD0Lk-urGiM

口ずさめる様に   神聖かまってちゃん
https://www.youtube.com/watch?v=2LppPmayd5s

 

 

・ 暴力の記録 2008年4月、9月。 /めまい

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 2008年の9月。ちょうど今頃、わたしはそのときの夫から首を絞められた。
 出口は4階の窓と玄関だけ。玄関のほうに夫が立ちふさがり、脱出は不可能だった。
2008.9.5より。 「9.5(金曜) 夜
 天地が不明になったつぎの瞬間、後頭部に鈍い痛み。 一瞬の闇のあと。わたしの首を絞める手、口と鼻をふさぐ手。
 悲鳴をきいた。 わたしの声らしい。 声をあげたのは初めてだった。 」

 

 その年(2008年)の4月9日と10日は。 夫が帰宅していきなり、わたしに暴言を吐いて、平手打ちの連続。わたしが菩薩のように無反応でいると、夫は「プッ」と、わたしの顔につばを吐いた。けれどわたしの顔はひとつも濡れていない。夫は極度に緊張していたらしく、口の中がカラカラに乾いていたのだろう。
 「顔も見たくない!出ていけ!」というので、あらそう、とホッとして玄関ドアに手をかけたら、夫があわてて追いかけてきて、夫がわたしの後ろでひとつに結んである髪を掴み、後ろに思いっきり引き倒し、「甘いんだよ!」と言いながら、わたしを左へ突き飛ばす。わたしは廊下の左のバスルームに倒れてしまい、バスルームの床が濡れていたらしく、手のひらと髪が少し濡れた。
 夫はわたしの襟首をつかんで部屋へと引き戻した。 そして、夫はわたしに馬乗りになって首を絞めてきた。「警察なんか怖くないぞ。 警察なんか行ったら、覚えておけ! テメエの家族も、みんな俺が殺してやる!」と口走りながら。
 わたしは首を絞められて血が止まっておでこがフワッと温かくなるのを感じながら、こう胸で呟いた。「おとうさん、おかあさん、ごめんなさい。 わたし幸せにならなくちゃいけないのに、こんなことになってごめんなさい。こんな親不孝でごめんなさい……、」
 夫が帰宅した夜の10時から明け方の3時まで、わたしは一方的な暴力をうけて、その間、お水も飲めない、トイレにもいけない、もちろん出口はふさがれている、携帯はとりあげられていて誰にも連絡できない、もうすっかり疲れ果てているのに、眠らせてもらえない。

 

 4月10日に殴られたとき、口の中が切れた。後日、友人と回転寿司を食べるときに頬の内側の傷にしみた。
 腕をグーで殴られた、その跡が二の腕に、赤いあざ→青いあざ→黒いあざ、となって一か月のあいだ残っていた。 暴力の後日、腕を病院で診てもらい、レントゲンを撮った。 「どうしてこうなったんですか。」と先生。「夫にやられました。」 すると先生は真顔になり、「あのね。うちには旦那さんから殴られて頭から血を流して来る奥さんがいましたよ。 あなたねぇ。逃げなさい。殺される前に、逃げなさい。」 そのあと「(警察に)被害届を出しますか?」と訊かれ、「いいえ。出しません。」とこたえた。

 

 暴力は確実にエスカレートしていった。 つぎは危ないかも。 ひとつ間違えば殺されるかもしれない。

 


 翌日、買物にでかけたわたしは電話ボックスの黄緑色の公衆電話のまえで足をとめた。でも、あんな夫だけどいちおう家族だもの、警察につきだすなんてできない。 わたしの両親には心配かけたらいけない、迷惑になるかもしれない。
(2008.4.18 雨) なのに 声がでない /と日記にはある。
 もしも次に殴られたら。そのときは警察に駆け込もう。あるいは東慶寺か(鎌倉の)。追手につかまりそうになりつつ、お寺の石段を駆け上りながら、自分の履物を山門にむかって投げ入れたい。 携帯は、ひらがなの「し」と打つと「出家」という言葉がなぜか一番にでてきてわたしを困惑させる。そうか、尼さんか修道女になろうか、うん。と胸で呟いたりしていた。

 夫からの一方的で理不尽な暴言&暴力に、わたしはいっさい抵抗しなかった。 無抵抗の人間に、どうしてそんなことができるんだろう。
 夫が狂って暴力をふるう理由は。 わたしはひとつもミスをしなかったし、夫にたいして誠実をつらぬいていた。 夫は、「テメエは嘘つきで冷たくて怠け者で裏切り者だ!」とわたしをなじっていたけれど、その内容はひとつもわたしに該当していない。夫は、口を結んで正座しているわたしではなく、脳内の過去の誰かや虚空にむかって吠えていた。その目はほら穴のように暗く、何も映していなかった。 夫はたぶん、いま目の前にいるのが誰でもよかった、狂ったところを見てくれる観客がいればいい、という状態。 もうひとつ。夫は、試していたのだ。この女は自分をどこまでゆるしてくれるのか?なにをしたら怒るのか? 暴力をふるうことで、わたしの心の大きさを計っていたのだ。わたしの限界がどれくらいかもわからずに。ばかな男。けっきょくあの男は最後まで、わたしの精神のはじっこにも触れられなかった。


 その夏ごろから、夫の帰宅時間が近づくと、頭痛と吐き気と耳鳴りをともなうめまいがした。精神的にはまだいける、だいじょうぶ、と思っていたけれど、身体のほうがSOSを出していたのかもしれない。


 9月5日夜。夫は帰宅してそうそう、わたしに因縁をつけて、静かに正座しているわたしの頬を平手で思いきり叩いた。叩かれて横を向いた拍子にふと鏡(スタンドミラー)をみると(「いまわたし、どんな顔してるんだろう」と思って)、「鏡なんか見てんじゃねえよ!」と何発もの平手打ち →お腹を蹴られて →立ち上がろうとしたらアゴに一発くらい、わたしは後頭部から床に倒れた。頭をつよく打ったらしく、数秒か数十秒かのあいだ目の前がブラックアウトして、起き上がってからも頭と口の周りの感覚がもどらずにジンジンとしびれていた。どうやら、脳震盪を起こしたのらしい。夫はわたしを壁際に押し付け、わたしの首を右手できつく絞めながら、もう片方の左手でわたしの口と鼻をふさいできた。 これはいけない、きょうこそ殺される。 わたしは初めて悲鳴をあげた。

 


 9月5日のその後。わたしの悲鳴をきいて、近隣のどなたかが110番してくれたらしく、真夜中にお巡りさんがきた。 わたしが悲鳴をあげたとき、夫はたじろいでこう言った。「おまえ、悲鳴をあげるなんて、それは暴力だぞ!」 あぁだめだこりゃ。とわたしはクラリとめまいがした。 今だ、今しかない、と覚悟を決めて「きゃー! たすけて!ころされるっ。」と思いきり叫んでやった。窓ガラスがビリビリと振動するくらい。
 お巡りさんは無線で応援を呼び、家の前にパトカーが停まり、わたしだけそのパトカーに乗せられて〇〇警察へと護送された。
 警察署について、「こんな真夜中に、すみません。」と恐縮すると、女刑事さんがにっこりと微笑んで「ガマンしなくていいんですよ。イヤだと思ったら、イヤだと言っていいんですよ」そう言われて、その瞬間、わたしの肩から力がすっと抜けて、「そうか、イヤと言ってもいいんだ。」と驚いた。
 警察では女刑事さんがわたしの背中や首にアザがあるかないか調べて、それから取調室のような小部屋で老刑事さんから夫婦の間の事細かなことを訊かれ、正直に答える。「ご主人は普段あなたのことを何て呼んでいましたか」というので「【ママ】って呼んでました。」と正直に答えた。すると老刑事さんは驚いたように目を見ひらき「【ママ】、ですか。」と訊き返してきたから、「はい。【ママぁ】でした。」と答えると、老刑事さんは手帳に『マ、マ。』と書いてさらに赤いペンでその「ママ」に丸印をつけた。 それまでの理不尽な気持ち、悲しみと悔しさがスッキリと吹き飛んだ気がした。 けれど、わたしの身体の震えは止まらず、夫からまだ追いかけられているような気分だった。


 めまい。夫との部屋を出てからは、めまいはぴたりとおさまった。よっぽど嫌だったのらしい。

 

▲▲ 夫は、わたしの家族は、わたしのことを助けないだろうという確信ができてから暴力をはじめた。 具体的に、どんな暴力をうけたか、その詳しいことは父親には話せなかった。そんなことを知ったら、父は怒り狂って夫を殺しにいっただろう。
 子供の頃。あるのどかな日曜日の朝。父と妹と3人で歩いていたらわたしと妹のすぐ横で白い車がキューッと停まり、父はその車の女性運転手にむかって何事かを怒鳴った。シラフでよそ様に怒鳴るなんて、父はやっぱりキチガイだ、あぁ嫌だイヤだ……とそのときは思ったけれど。いま思い返してみると、わたしと妹は危うく車にひかれるところだった。たしかに危なかった。父がシラフで声を荒げたのは、あとにもさきにもあの一回だけ。父の怒りはまっとうなものだったと今は思う。親ならあたりまえだ。

 

  2008年9月5日から別居後、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、翌2009年5月、正式に離婚した。

 

 

 

 

 

・カフェ オリエント  

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・カフェ オリエント (年月日、不明)

 

 

 


「  あんた、 ストローみたいだ。」

 

きこえないふりで

砂糖入れのふたをあけて しめる

 

それから

ストロぉの紙の袋をもてあそび

氷の小さくなったアイスコーヒーのグラスのふちを指先でなぞる

 

卓上花の花びらをかぞえて

冷えた二の腕をさする

 

いまの


もういちど 言って?

 

 

 

 

 

 

 

・肉じゃが /きせかえ人形 /粘土 /大人のマネ /いつか魔法使いに /空想ばかり /エレベーターの閉じるボタンを /胸が痛い /やさしさに包まれたなら。荒井由実

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 土曜、夕方。予定していた肉じゃがづくりを決行。しばらくぶりなので作り方を忘れている。じゃがいもの皮をピーラーでむき、じゃがいもは半分に切って、中心に(芯に)かくし包丁をいれる。にんじんは大きめの乱切り、玉ねぎは二つ割り、もしくは四つ切り、お肉は豚肉。 わたしの肉じゃがは具が大きい。はじめは人並みだったけれど、だんだん大きくなるという進化をとげて、今に至る。 煮あがるまで時間がかかるけれど。具材が大きいと野菜の栄養が逃げないし、大きいほうが美味しいような気がする。 大鍋に、にんじん、じゃがいも(お芋は鍋底に触れないよう注意)、たまねぎの順にかさねていき、お水を具材がひたひたになるくらいまで。おつゆ多めがいいから。念のため昆布だし&かつおだしスティック各一本。点火。
 煮汁が沸騰したら、ふたをしめて、火を中火にして(いちばん大きなあぶくが1センチ~1.5センチくらい)、時計をみて、そこから10分煮る。煮るあいだ、かきまわしたり、お手をふれてはなりません。じゃがいもが欠けてしまったり玉ねぎがバラバラになったり、おつゆが濁ってしまうから。 途中、仕上がり時間の5分前になったら豚肉を投入&味付け。→お砂糖(パルスイート)スプーン3杯半、お醤油をちょろちょろと細出しにして、くるくると数回(失念)、そばつゆを細目にくるくる1~2周、→ふたたびフタをして、お肉にしっかりと火を通す。→できあがり。
 「大は小を兼ねる」(←母の口ぐせ)。なるべく大きいお鍋にするといい。 じゃがいもの男爵(だんしゃく)は、おつゆが沸騰してから10分で火がとおる。メークインは身が固いので、15分。 それを過ぎるとじゃがいもは崩壊(煮くずれ)してしまうので気をつけて。
 ようし、大きな丼によそって味見。の前に。せっかくだから。ケータイで写真を。 何回トライしても手が揺れてしまい、ブレブレ。 友人が「撮ろか?」「お願いします。ありがとう。」 友人の撮ったものはハッキリくっきりと写っていて、画面がオレンジ色っぽく美味しそうにみえる。
 するうちに、すっかり冷めてしまった。 あらためて、味見。おつゆをひとくち、玉ねぎをひとくち。おつゆをもうひとくち、じゃがいもをひとくち。おつゆ、お肉、おぉー。 じゃがいもはほろほろ崩れ、玉ねぎはトロっと、にんじんはにんじんのままだけど、他の具材たちと友好ムード、お肉はほどよくもさもさ。
 おつゆをもうひとくち。 うーん。ううーん……。微妙。いつもよりやや甘い。お砂糖の量はこれまでと同じ。たまねぎか。玉ねぎがいつもより甘みがあったのかも。 あ、豚バラだ。豚バラの脂が甘いんだ。おぼえておこう。 肉じゃがは、これでいいと思ったことがない。いつも何かが微妙。

 

 【材料】 ※ご飯なしで食べるとして、4~6食分。
にんじん →2~3本
じゃがいも →5~10個
玉ねぎ(中サイズ) →3~6個
豚肉(部位は問わない) →豚小間、ロース、豚バラ、しゃぶしゃぶ用 (何グラムでも、好きなように)

昆布だし&かつおだし →スティック1本ずつ
お砂糖(粉末のパルスウィート) →3杯半
おしょうゆ → テキトー。好みがあるでしょう。
そばつゆ → 細出しで、1周~2周 (ほんの気安め)

 

  【保存は】
 じゃがいもは足が早く、いたみやすい。
その日のうちに食べきらなかった場合は。
残りわずかなら、タッパーに移して、
まだけっこうあるときは、
鍋ごと冷蔵庫で保存。それでももって二日かな。
なるべく早めにお召し上がりください。

 


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 子供のころ、おもちゃ売り場で「(紙製)きせかえ人形セット」をみて、ほしいなと思ったけれどお小遣いでは買えそうもないお値段。
 次の日。あ、そうか、自分で作ればいいんだ。と、思い付いて。
(母のハイヒールを買ったときの、靴箱に入っていた)厚紙に下着姿の女の子の絵をふたりぶん描いて、はさみで切り抜く。らくがき帳の紙のうえに女の子の人型をあてて、お洋服と靴を描き、人型にひっかけるための長方形の部分も描いて(その仕様は、おもちゃ売り場のきせかえ人形セットで観察しておいた)、完成。
 妹に声をかけ、二人で手作りのきせかえ人形で遊んだ。それぞれお人形にすきな名前をつけて呼んでいた。 市販のものは洋服の数に限りがあるけれど、手作りなら、ワンピースでもお姫様ドレスでも、自分で好きなように好きなだけ、無限に作ることができてよかった。 遊び終えると、お人形とお洋服を何かの空き箱にしまい、大切に保管していた。

 晴れの日は公園や森で遊び、雨の日は友達の家や自宅で遊んだ。
 あるとき、お人形遊びにもあきてしまったらしい妹に「〇〇ちゃん、粘土しようか」と提案。学校の図画工作セットにあった油粘土をだしてきて、こたつの上に新聞紙をしいて、まず粘土をこねこねして柔らかくする。それから、それぞれ色んなものを作っていく。妹の得意なものはヘビ、うさちゃん。わたしは小銭入れからコインをだして、一円玉や五円玉に粘土を押しけてかたどりしてみたり。 妹のヘビから着想して、ひも状にしたものをぐるぐる巻いて「まきふん。」といって妹を笑わせたり。
 いつだったかひらめいたのは「ハニワ」。指サックみたいな形にして、腕を生えさせ(片手は上向きに、片方は下向きに)、つまようじの頭で3つの穴をあけてお目々とお口に。できた♪ 歴史(社会)の教科書でみた、踊るハニワ。 つまようじの頭で目と口をつくる方法はわたしが発明して、妹もそれをマネしてうさちゃんの顔をつくるようになった。

 そういえば、妹はなんでもわたしの真似っこをしてた。わたしが本や漫画を読んでいると、妹も雑誌「小学一年生」を両手でひらいてもち、(妹は文字を読むのが苦手だった)読んでいるふりをしていた。
 子供って大人のマネをしてみたいんだろうな。わたしはときどき、母親のドレッサー(鏡台)のひきだしをあけて、青空みたいな色のアイシャドウや、真っ赤な口紅を塗ってみたり、ビューラーでまつ毛をくるんをさせようとしてまぶたのお肉をしたたか挟んでしまい「痛たたた……(>_<)」となったり。綺麗になったかな?と鏡をみると、そこにはお化粧オバケがいた。 鏡台のひきだしのすみっこにあった、ガラス製のボリューミィな指輪をはめて、イヤリングを耳につけて、母のぶかぶかなハイヒールを履いて、ヨロヨロしながら部屋の絨毯のうえをちょっとだけ歩いてみたりして。
 大人はなんでも知ってるんだ。とくにおとうさんは物知りだもん、分からないことがあったらおとうさんに訊けばいいんだ。と思ってた。
 もしもわたしがハイジだったら、あるいは少女コゼット。不思議の国のアリスなら、ルパン三世の仲間なら。 神話の、もしくはまんが日本昔話の「やまたのおろち」?、「姫と白蛇」「大蛇の棲む沼」「大懸山のうわばみ」「加茂湖の主」?の村人たちのいけにえとなって大蛇にさらわれる乙女だったら。 トム・ソーヤー。マッチ売りの少女。科学忍者隊ガッチャマンのメンバーなら、小公女セーラだったら。 ……と、子供のころは空想ばかりしていた。
 今はこんなブスだけど、魔法使いサリーや魔女っ子メグやひみつのアッコちゃんのように、いつか魔法使いになって、誰かを助けたり、きれいなお姉さんに変身できるんだ。ほうきにまたがって空を飛べるんだ。と思っていた。 「みにくいアヒルの子」のように、大人になったら綺麗になれるんだ、だから今はブスでも大丈夫。と信じて育った。


 メモ。 映画パイレーツオブカリビアンの砂浜でジョニー・デップと決闘してた人、ミランダ・カーと結婚してたあの俳優さん、何て名前だっけ。 /棒アイス、ホームランバー。昔は50円もして、メーカーは雪印だったような /コーラアイス、ソーダアイス、半分こするのね
 /中学のころ土曜のお昼はサッポロ一番のしょうゆラーメンをつくって妹とお椀に半分ずっこして食べてた
 /(ちびまる子ちゃん追悼スペシャルを見ながら)子供は正直ね /エレベーターの閉じるボタンを押す人? 友人は病院のエレベーターの件のボタンを人差し指でコンマの速さでプププププ……と連打するという / 〆。

 

 

 やさしさに包まれたならユーミン荒井由実時代の作品がぴったりくる。 繊細な歌いかたが素敵。つい聴き入ってしまう。 あ、埠頭を渡る風、もいいな。こんなドラマチックな恋愛をしてみたい。なにも言わずにわたしのそばにいて。 、なんて。 たった一度きりでいい。こんなせりふをささやいてみたい。 ユーミンは天才。

 憂歌団、胸が痛い。 これは。 ドキリとする。重たい一発。 ノックアウトされた。

 

 

 

憂歌団  胸が痛い ラストライブ 1998-12-19
https://www.youtube.com/watch?v=gp4wsR39yMc

乙女の祈り : Badarzewska - A Maiden's Prayer
https://www.youtube.com/watch?v=AZgQm7ib6hc

やさしさに包まれたなら ♪(single version) 荒井由実
https://www.youtube.com/watch?v=OX328u6rPe4

松任谷由実  埠頭を渡る風 (1978)
https://www.youtube.com/watch?v=YkQH89K2Sxo

魔女の宅急便  ルージュの伝言
https://www.youtube.com/watch?v=-JJXh1QcSag

 

 

・神さまはどうして (2018.9.16 未明) /・夕方のにおい

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この詩を 2005年9月に召された麦にだけ捧ぐ


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神さまはどうして わたしからあの子をとりあげたんだろう

もっと何かしてあげたかった もっと触れていたかった


あの子は可愛すぎたんだ 可愛すぎた

それで 召されてしまったんだ


いまも あのやわらかい毛と 手ざわりと

ぬくもりを このてのひらに感じる


麦 、

 

 

 

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・夕方のにおい (発生、年月日、不明。)

 


けさの夢をひもといて 君にきかせたい

 なんだそれって 笑ってくれたら

こんなふうに微笑んでるなんて 夢にも思わなった

 うそばっかり ほんとはそればっかり

 

あら3時 珈琲でもいかが


夕方のにおいがしたら 君にあいたい

 風がね 知らない人みたいなの