名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・映画「万引き家族」 /すき焼きのお肉は? 

 


 日曜。録画した映画「万引き家族」をみた。 見終えてしばらくのあいだ、言葉もなく、呆然。 何かこう、どーん、ときてしまって。

 以下、思ったことを箇条書き。


あらすじ: 血のつながりのない家族。 それぞれに事情と痛みを抱えた者たちの、出会いと別れ。


・父と母が(リリー・フランキー安藤サクラ)、そうめんを食べているのを中断して、体を交える場面。生々しくて、困った。
わたしの希望としては、この二人はそういうことをしないでいる方が良かった。 そういうことがないからこそ、というような絆であってほしかった。 (専門用語でなんていうんだっけ。エロスじゃないほうの……、精神だけの、?、……プラトニック??)

 

・実の親から虐待、放置されていたところを、この家族に引き取られた5歳くらいの女の子。 万引き家族の解散後、実の親のもとに戻されたけれど、これからどうなってしまうんだろう、(また親に虐待されるのでは?)と非常に心配。

 

・ リリー・フランキーが警察で、「男の子に万引きの仕方を教えたのはあなたですよね?」と問われ、「教えてやれることが、それしかなかった。」と答える。 その一言で胸がキューッと痛くなった。
 ……できることなら、彼は、男の子に勉強やスポーツや色んな遊びを教えてあげたかった。 でも。それができなくて、唯一教えてあげられるのが「万引き」だった。 そんな、愛のかたちが、ただただ、せつない。

・ リリー・フランキーが警察で、男の子につけた名前「翔太(しょうた)」は、あなたの本名ですよね、と問われて。
 →もしかして、彼は、彼自身を「育てなおし」したかったのかな。 自分の名前をつけた男の子を可愛がることで、満たされなかった自分自身を生き直そうと、無意識に思っていたのかな。

 


・この家族の人たちのお互いに友好的なムードは、血のつながりのない関係だからこそ、かも。
 あるいは、なにかしら欠けているからこそ? 

 
・「好きだ」とか「大切だ」とか、そんな言葉などなしに、ただ一緒にいる。 それだけでいいのかもしれない。

 


・すき焼きの、真っ茶色に煮汁を吸ったお麩がおいしそう。 ※女の子に、おばあちゃんが(樹木希林)、フーフーして食べさせる。

 そういえば子供の頃、すき焼きでは、茶色くなった白滝と、ぶよんぶよんのお麩と、くたくたに煮えたネギ、それとヘンテコリンな風味の春菊がすきだった。
 すき焼きのお肉も、(給食でも家庭でも)カレーも、豚肉だった。(うちは東京。時代は1970~1980年代。※輸入牛はまだ、無かった。 /両親とも東日本の生まれ育ち。 /家庭では魚・鶏肉・豚肉。学校の給食では魚、鶏肉・豚肉・くじら肉がよくでてきた。 ※日本の商業捕鯨は1985年に禁止となり、たしか、それ以降は特定種類のクジラを年間数百頭?の調査捕鯨だけ )。

 あれ、話がクジラ肉にそれてしまった(^^;

 


・この映画は、ものを食べる場面がけっこうあった。 もしかして、わたしは人の食べているところをみるのが好きらしい。