名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・2002年の詩より /朝顔 /瞬 /たき火 /他愛もない /永遠 /過去日記 

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朝顔 (2002.7)

 

グラスの水滴をふくときも

おちた消しゴムをひろうときも

扇風機の羽音に耳をすませるときも

サンダルと足裏の間の小石をはらうときも

不思議な雲をみつめるときも

そう いつだって

 


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・瞬 (2002.9)


かじった鉛筆の渋甘い味、学校のしょっぱい色のカーテン、図書カードの「済」のハンコ、勝どき橋のぶつぶつ、晴海の野生化したクチナシキンモクセイ、毎月12日は別マ、ハイジと同じシュミーズ、
夜のおつかい自転車のかご瓶ビールのキンキンいう音、終わった花火の火薬の匂い、貝のボタン、落ちたアイスにたかる蟻、シッカロールのパフ、食べ終わった葡萄を線香花火に見立てる、おっくうな算数ドリル、濃い目のカルピス、水滴、砂漠の絵葉書、ふたつの太陽 …

 

 

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・たき火 (2002.9)


君ってば、ちっともなんだもん。もうね、わたし、たき火になっちゃうからね。そんでパチッと爆ぜてやんの。アッツイんだかんね、きっとびっくりよ。
でも君、うぉっ、とかゆって面白がってそう。こおなったらもう、頭に向かって爆ぜちゃうから。そんで10円ハゲれ。 あ、やっぱやだ。10円ハゲった君なんて見たくないもん。 だからね、何が言いたいかっていうと、んと…つまり… 一緒にたき火したいねってこと。もすこし寒くなったらネ。

 


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・他愛もない (2002.9)


キンモクセイの香りがね ってしらせたくて。それだけ。 おかしいかな。

 


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・永遠 (2002.9)

 

白い小箱から

あの日のどんぐり

 

ひとつは割れて

ひとつは穴があいて

ひとつは綺麗なまま

 

わすれない


わすれないよ

 

 

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