名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・DVD「野田ともうします。」/忘れらんねえよ /美しいポリー、あぁ無情 /母のワンマンショー 

 

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 日曜。24時間テレビを見ながら、ちょっとだけ眠ってしまった。目覚めると友人が「〇〇ちゃん寝とるあいだ、号泣してしもた。難病の子供が3歳で死んでしまうねん…… 俺もう涙とハナミズでたいへんやった(/_;)」
24時間テレビを見ていると西城秀樹の特集になり、ヒデキが闘病とリハビリの末に亡くなったこと、そしてラストは会場全員の合唱による「ヤングマン」。 「Y・M・C・A♪」のところで思わず腕をYMCAの形にして踊ってしまう。そうして踊りながら「ヒデキ しんじゃったぁ。」と呟いたらなぜか涙がポロポロとこぼれてきた。友人の前で泣いてしまうなんて恥ずかしい、気丈にふるまわなければ、と涙をTシャツの袖で拭く。 それでもヒデキの曲は続いていて、わたしは頬を濡らしながらも「Y・M・C・A♪」を最後まで踊りきった。ヒデキは永遠にヤングマンだ。
涙をこっそり拭きながら思った。あの方には長生きをしてしてほしい。わたしより先に死ぬなんて許さないんだからネっ。

 

 忘れらんねえよ について。そのバンドを初めて知ったのは4年前の冬で、曲は「夜間飛行」。冬の夜、薬局でもこもこくつしたをみているとき、天井の有線放送から流れてきて、「?!」となって聴き入ってしまった。それはまるでわたしのためだけに歌っているかのような親密な歌声だった。 忘れらんねえよは、ケガを覚悟で飛び降りちゃってる感じがいい。
柴田さんはやせっぽちだから、お酒を飲んでばかりいないで、がんばってご飯を食べたほうがいいかも。おせっかいでごめんなさい。
 たまに忘れらんねえよ・柴田さんのツイッターを見るのだけど、自分の弱さとかみっともなさ、それをありのままに出していて、勇気のある人だなぁと思う。
忘れらんねえよ・柴田さんのツイッターより、書き起こし。)→「好きな子の夢を知りたいし、ずっと抱えて苦しんでる悩みを知りたいし、そういうの叶えたり乗り越えた時のほんとの笑顔とか超見たいんだけど、俺らみたいなポンコツには絶対教えてくんないし見せてくんないんだよなあ ぜってー誰よりも力になれんのに、くっそ」「(映画「あの頃、君を追いかけた」)いい映画のタイトルやって思ったけど、うちのバンドの曲タイトルにしたらストーカーの曲にしかならんから切ねえ」


 子供の頃にくりかえし読んでいた本がある。ビクトル・ユーゴー作「少女コゼット/あぁ無情」。オルコット作「美しいポリー」。
容姿については、童話の「みにくいアヒルの子」のように、大人になったら綺麗になれるから、今はブスでもいいんだ、と安心していた。
それから、オルコットの小説「美しいポリー」。 人の持っているものをうらやんだりはしない、わたしにはこの「つぐみのお嬢さん」と呼ばれる地味なワンピースがあるからひとつも恥ずかしくない。 たとえ顔がどんなにブスでも、ポリーのように、心のなかだけは美しくありたい、と思い続けて育った。
楽しい事がある一方で、コゼットのようにツライ日々だったけれど、わたしのもとにもいつかきっとジャン・バルジャンが現れて、「さぁお嬢ちゃん、おいで。」と大きな手を差し伸べて、この恐怖の夜から救いだしてくれるんだ、と信じていた。

 

 母のことを書きとめておきたい。
父の納骨のとき以来、会うのは3年ぶり。 年末に母のもとを訪れたとき、72歳の母はアイラインくっきり、つけまつげバッチリのフルメイクで、真っ赤な口紅に真っ赤なマニキュアで迎えてくれた。出掛ける予定がない日でも、毎日そのように装っているのだという。
 まず、「お父さんに挨拶して。 お父さん!〇〇が来てくれたよ!(^▽^*)」と言うので、わたしも神妙な気持ちで父の位牌と写真に手を合わせ、黙祷した。
それからこたつに入り、母の近況や体の具合をたずねて、母の長い長い話をひたすら聞いた。その間、わたしはずっと正座。
 健康の話/父のこと/施餓鬼、墓じまい?/父の納骨の席で母が○○さん(父の妹)に叱られたという話(わたしもずっとその場にいたけれど、そんな出来事はなかった。母の得意技の妄想だろう)/岩手のおじちゃんの話/さいきんの妹のこと/オシャレの話/お化粧の話/ヘアカラーについて(母は金髪)。 話しても話しても尽きないらしく、それは5時間にもおよんだ。 年忘れ・母のワンマンショーだ。
とりあえず話の合間ごとに「お母さん、綺麗ねぇ……女優さんみたい。」とホメておいた。「もうおばあちゃんよ!」と言いながら母はうれしそうだった。オシャレだけが母の生き甲斐なのだから。
「正座なんかしちゃって、足くずしなさいよう!」「おでんあるのよ、カレーも残ってるし、あんた食べない? なに遠慮してんのよう!」とすすめられるのを固辞して、白湯だけごちそうになった。
「おとうさんが生きてた頃はアタシ、あーんなに苦労しちゃって。ばっかみたい!」と振り返る母。今ごろ気付いたってもう遅い。あんな男に尽くしたりして、美人なのに不幸まっしぐらな母だった。
文句たれの父がいなくなってからのテレビ鑑賞は「すっごくいいよ! おとうさんいた頃は(父はNHK命、な人だった)、ドラマなんて見れなかったもん。今は楽しくってもう☆」と母。
「それにしても、あんた地味ねぇ。もっとオシャレしなさいよ! 化粧もしてないの?」というので「口紅は塗ってきた。眉も描いてきた、ほら。」と前髪を上げてみせる。「えー、それだけ?」と母。 や、それ以上すると『どこの宝塚よ?!』となってしまうから……。もともと目は大きいけれど、ただ大きいだけで、そこには何の物語もない。
 お母さん、眉はもっと太いほうがいいかも。とアドバイスすると、母はさっそく眉ペンシルをとりだして太く描いてみて「どぉ?」というので「あ、若い!いい感じ♪」、若いよね?と妹にもたずねると、妹も「うん、すてき☆」と頷いてくれた。
 「おとうさんがね、亡くなるちょっと前に『〇〇は独りでロクなもの食べてないんじゃないか? 〇〇にもこういう美味しいもの食べさせてあげたいなぁ。』って言ってたよ」と母。 そうだったのか。父ったらそんなことを……。なにかが胸にこみあげてきて、涙が出そうになってあわててこらえた。
5時間のあいだひたすら母の話を傾聴して、すべての気力を使い果たしてしまった。エネルギーを根こそぎもっていかれた。帰り道はもうふらふら。

 

 母とは色々あったけれど(いつも母からの一方的な攻撃)。今は、生んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。と思っている。
体に気をつけて。いつまでも綺麗に咲いていてほしい。

 

 土曜日。注文していたDVD、「野田ともうします。シーズン3」が届いた。出演は、江口のりこ安藤サクラ
 なぜシーズン3なのかというと、NHKで見て最高に笑ってしまった第10話「その言葉に、真実はありますか?」と第15話「その時 心がひとつに」が収録されているから。

 

 


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