名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・123便から /志村けん /お線香

 16日の夜。友人とテレビで「日航ジャンボ機墜落から33年 123便からのメッセージ」を見ながら、泣けて泣けてしょうがなかった。とつぜんに家族を失うって、どんな気持ちだろう。急降下していく機内で手近の紙に震える字で走り書き。
「パパは本当にざんねんだ きっと助かるまい 原因はわからない いま5分たった もう飛行機にはのりたくない どうか神さま たすけてください 煙がでて降下しだした どこへどうなるのか ツヨシ しっかりたのんだぞ ママ こんなことになるとは残念だ さようなら 子供たちのことをよろしくたのむ いま6:30 飛行機は急速にまわりながら降下中 ほんとうに今まではしあわせな人生だったと 感謝している (※映画「クライマーズ・ハイ」より書き起こし)」 どんなに怖かっただろう。


 「いってきます、といって出かけていった家族。それが最後になるとは誰も思わないだろう」というナレーションのあと友人が「そんなんあれへん」といい、わたしが「あるよ。〇〇(友人)がトラック乗ってたとき、いつもそうだった。」「そうなん?」 おっと、ついに本音がでてしまった。知り合った頃、友人は大型の長距離ドライバーで全国を駆け巡っていた。 ある夫婦が喧嘩して仲直りしないまま翌朝、夫が仕事に出かけて、出先で交通事故か何かで亡くなってしまった、という話を何かで聞いたことがあって、それからは友人とどんなにひどい喧嘩をしても朝になったら笑顔でいってらっしゃいと送り出すようにしていた。 「心配ばっかりかけるから、こんなに白髪が増えちゃったじゃない、どーしてくれんのよっ!(笑)」「ごめんなぁ……」
 「でも今は事務屋だからそんなに危ない事ないで。」「なにがあるか分かんないわよ。父が若いころ五反田を歩いてたら10メートルくらい先にビルの上から人がドーンと落ちてきたって(飛び降り自殺)。通行人はいっぱい歩いてたけど、さいわい誰も巻き添えにはならなかったって。何があるか分かんないわよ」「せやなぁ」うんと高いところからの飛び降りだとコンクリに穴があくほどの衝撃だと聞いた。もし下に人がいたらひとたまりもない。
 なにやら友人が神妙な感じになってしまったので、空気を変えようと思い、「でもね、あんまりいい人だと早死にしちゃうから、少しはワルサしたらいいのよ、捕まらない程度に」「なんやそれ(笑)」「いい人は早死にするから、うん。」 浮気でもなんでもしたらいい。生きていてくれたらそれでいい。 冷蔵庫からファンタをとりだしている友人の背中へ呟く。「〇〇、トラック降りてくれてよかったのかも……」「オカンもそう言っとったなぁ。」 「親より先に死んだらダメよ。親より先に死ぬのがいちばん親不孝なんだから。」こどもは生きてるだけで親孝行なんだ、きっと。

 

 先日。テレビでやっていたクリント・イーストウッドの西部劇の映画「アウトロー」を友人と観た。「〇〇、クリント・イーストウッドに似てるかも」「どこがやねん!(笑)」とツッコミながら、友人は満更でもなさそう。 クリント・イーストウッドは冗談だけど。友人は誰に似てるかというと、赤井英和1:佐々木健介1:北条司「シティ・ハンター」の海坊主さん3:残りの5割は「じゃりン子チエ」のカタギやのおっちゃん、かな。 あぁ思い出した、こんなことがあった。ある夜、バイト帰りのわたしは駅前で友人が迎えにくるのを待っていると酔っ払いの若い二人の男が「ねぇねぇオネエさん、」と話し掛けてきて、てきとうに相槌をうっていると、いつのまにか友人が彼らの後ろに立っていて「何しとるん?」、その瞬間、男二人はエビのようにザザザッと後ずさりして「すすすす、すみませんっ!」といってピューっと逃げていってしまった。「何やあいつら、ただフツーに声かけただけやん?」と友人は不思議がっていた。「オーラが出てたんじゃない?」「オーラって、何のオーラやねん?!(笑)」 パッと見は関西でいうところの「いかつい」感じかも。でも、「気は優しくて力持ち」を絵に描いたような人で、猫とコーヒーとジブリアニメ(宮崎駿)と平和を愛する人なのだった。

 

 14日、火曜「志村けんのだいじょぶだぁ」。「あのくらい」だろうと思って見ていたら、これが予想以上に面白くて。 志村は、越えてくるんだなぁ。

 

 先日、台所の換気扇の下で一服していたらフッとお線香のにおいがして、「いま、お線香のにおいがした」と友人に報告すると「あぁ、裏の家やろ。いつも線香たいとんねん」という。あらそうなの。てっきり、亡くなった父がお迎えにきたのかと。
 このまえの夜、どん兵衛を待ちながら一服していると明らかにお線香の匂いがしてきて、まるですぐそばで焚いてるみたいにわたしの周りそこいらじゅう、思いっきりお線香。おもわず「どん兵衛たべるまで待ってよう!」と胸の中で叫んだ。 やっぱりお迎えが来たのかも……。

 ■7.27 ・ビジュアル系、あの音楽 /バリバリ伝説 ←ちょっとだけ加筆。