名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・帰るところ /別れ際

 昨日。気温35度のなか、病院へ。「暑いねぇ、」と先生、「ふらふらです。」とわたし。よく眠るようにね、とアドバイスを受ける。
 無事に帰宅したものの、暑さにやられてすっかりヘロヘロ。そうだ、と思い付いてドリフの「一丁目、一丁目、ワアーオ!」とヒゲダンスもしてみたところ、いっぺんに気分が良くなった。ドリフすごい。

 昨日の朝ドラマでスズメの夫リョウちゃんが再び映画をつくりたい、別れてくれ、「家族は邪魔なんだ」と言い出す。たしかに両立は難しいかも。でも、言うにことかいて「邪魔」はないでしょ。そんな男ならいないほうがマシ。スズメ、とっとと別れちゃえ、と胸の中で呟く。人の心は縛れない。肉をそがれるように辛いだろうけど、やせ我慢でもいいから「あっそ。」と別れてあげたらいい。
 ふと思う。人がグレるのは帰る家があるからだ。浮気するのは帰れるところがあるからだ。 永遠の旅人のようなスナフキンはときどき故郷のムーミン谷に現れるし、風来坊の寅さんだって「とらや」に帰ってくる。帰るところを失ったら、糸の切れた凧のようにどこまでもどこまでも飛ばされてしまうことだろう。人間には、帰るところが必要なんだ、おそらく。 余談だけど。出ていった人がションボリして帰ってきたら、「出たり入ったり忙しいひとね。」と笑ってあげたらいい。

 

 別れるといえば。母は父と知り合う前、ミウラという超ハンサムな男と付き合っていた。ケチな男だと、別れるときに「俺が贈ったプレゼント返せ」とか言わない?と訊くと「プレゼントなんていっぺんもなかったわよう!どケチだったもん」と母。ミウラが他に女をつくって出ていったときに「あぁ、湯飲み茶碗をとりにきたわ。」「それを口実にもう一度お母さんに会いたかったんじゃない?」とフォロー。「ないわよう!湯飲みだけ取ってサッサと帰ってったもん」「そうなんだ……」フォロー失敗。
ミウラと付き合っている間はずっと「あーら、おほほ」とかいって「おしとやか」ぶっていた母だけど。別れるときに本性がでて「こんちくしょー!」と人の頭ほどもある大きな石を持ち上げて投げつけてやったら、ミウラは「お、おぉ、怖えぇ……別れてよかった」と腰を抜かさんばかりにびっくりして逃げていったという。
 今となっては笑い話だけど「そりゃもう、すんごいハンサムだったわ……」と母は回想する。「お父さんもまぁまぁだもんね」「え、ただのギョロ目よう!」そうかな、ハンサムかどうか分からないけど、父はデビッド・ボウイとか真田広之とか栗原類に似ていた。そんな母は今でもメンクイで、福山雅治唐沢寿明がステキだという。学習しない人だ。男はハートでしょ。わたしはというと、高倉健とか寅さんとかガッツ石松みたいな、熱血で口下手で不器用な人が理想。


このところ聴いている曲。一緒に歌って踊って……ただただ楽しい。

 

 

ボヘミア /ターザンボーイ

カルチャークラブ /カーマは気まぐれ