名も知らぬ草に blog

管理人:草(そう)

・幼なじみ /アミーゴのおじちゃん

 朝ドラマ「半分、青い。」でブッチャーとナオちゃんが結婚しようかとなっていて、幼なじみ同士でくっつくなんて素敵じゃない♪と応援したくなった。

 

 そういえばわたしにも男の子の幼なじみがいた。たーちゃんといって、元々は母親同士が友達だったのかな。母から聞いた話。たーちゃんのお母さんがうちに遊びに来たとき、そこでわたしがキャベツの千切りをもりもり食べているのをみて「Rちゃんすごいわね~!うちの子、野菜を食べないのよ。いっぺんうちに来て一緒に食べてくれない?」と提案した。後日、たーちゃんのうちに行って一緒に食べると、モリモリ食べるわたしにつられてたーちゃんもワシワシ食べ始めたという。
子供の好き嫌いはちょっとしたことで直ったりする。調理法を変えてみる、よそんちや給食で食べる、「この味、コドモには分からないよね~」といって大人が美味しそうに食べてみせる、とか。


 5歳の頃にわたしは引っ越したのでたーちゃんとは学校が違ったけれど、たーちゃんはリレーの選手になるくらい足が速かった。たーちゃん母子がうちに来るとそれぞれお小遣いをもらいアミーゴまで二人で走って駄菓子を買いに行く。走るのが遅いわたしのためにたーちゃんはゆっくり走ってくれるのだけど、それでも距離があいてしまうと、たーちゃんは立ち止まってわたしが追いつくまで待っていてくれる、そんなやさしいところが好きだった。アミーゴでいつも買うのがカプセル入りのラムネ菓子。車輪がついていて連結できるようになっていた。それぞれ中身を食べおわると二人のカプセルをつなげて電車ごっこみたいにして遊ぶのだった。

 

 アミーゴは、公園の近くにあったパン屋&駄菓子屋。アミーゴとは、どこかの国の言葉で「ともだち」という意味だと、大人になってから知った。店番をしているおじちゃんは……いま思えばお兄さんかな、30いくかいかないかくらいでけっこう若かった。当時の子供はみんな、よその大人を「おじさん」「おばさん」と呼んでいた。
アミーゴのおじちゃんの顔は……俳優の滝藤賢一に似ていた。おじちゃんはガリガリの体にアフロヘア、パンタロンのズボンにかかとの高いつっかけで、店の奥の茶の間には背中の丸いおばあちゃんがちょこんと座っているのが見えた。わたしはよくお使いを頼まれてそこへ食パンを買いに行ったり、公園で遊ぶまえに駄菓子を買ったりしていた。
あるとき、そのおじちゃんが小学校の体育館にギターを弾きに来て、おじちゃんがステージに上がると、男子たちが「アミーゴのおじちゃんだ!」とびっくりしていた。おじちゃんがギター(アコースティックギター)を弾いて、妹さんがそれに合わせてフラメンコを踊っていた。驚いていた男子たちは地元の少年野球チームで、週末はよくグラウンドで練習して、そのあとアミーゴで「オロナミンCを飲むんだぜぃ!(←自慢げ)」と話していた。

 

 わたしの子供時代は1970年代だったけれど、パンタロンを穿いている人はもう少なかったかも、……そうだ、銭湯の玄関の男湯側に、かかとの高いつっかけが脱いであるのはけっこうあった。
あのころ銭湯は大人120円、自販機のコーラが80円、たばこのセブンスターが170円だったかな(ときどき親にたのまれて買いに行ってた)、たしか。たばこの会社はJTではなく専売公社だった。お使いで、まるやの自販機でたばこを買おうとしたら小銭を入れる口が高いところにあって、うーんと背伸びしても手が届かず、まるやの小窓に「すみませーん」といって、「セブンスターください。」「はぁ??」 耳の遠いらしいおじいちゃんに聞こえるようにもっと大きな声で「セブンスタァ、ください!」と二回繰り返して言ったりしてた。
また懐かしい話になってしまった。昔話でごめんなさい。

 

きのう聴きたくなって見つけた2曲。

 

リビアニュートンジョン ザナドゥ

ジルベルト・ジル パルコ